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今回は、PHP新書から出版された、橋下徹氏の著書『交渉力 結果が変わる伝え方・考え方』の読んだ感想からアラフォー世代が実際の社会で使えるポイントを3つ紹介したいと思います。
以前の記事「『実行力』橋下徹 読書感想文」でも書きましたが、橋下さんが大阪府知事に就任したのが38歳、大阪市長に就任したのが42歳です。
アラフォーにして巨大組織のトップになるなんてすごいですよね!
橋下さんは「弁護士時代に大阪のややこしい人たち、反社会勢力の人たちを相手に年間100件以上の交渉を実施にやってきた」ので交渉のノウハウを書いた本よりもかなり実践的で納得できる内容となっています。
もしあなたが現在、対顧客、対取引先、対上司・部下とのあいだで交渉や物ごとを有利に進めたいと考えるなら間違いなく読むべき一冊です。
ポイント①「自分の要望の整理 」
交渉を始める前に、あらかじめ自分のゴール(交渉で勝ち取りたいもの)を明確に決めておかなければ交渉に負けます。
「絶対に譲れないもの=ゴール
譲っても良いもの=譲歩のカード」
このゴールの優先順位が整理できていないとあれもこれもと欲張って何も得られない結果になってしまいます。
譲っても良いものはこちらが譲歩したとみせるためのカードとして使います。
この2点は事前に整理して交渉に臨むべきです。
ポイント②「利益を与える、合法的に脅す」
「利益を与える」とは「譲っても良いもの=譲歩のカード」と言えます。
つまりこちらが譲歩したと見せられれば相手にとっては利益となりうるからで、利益を得たと感じた相手はこちらの要望を受け入れやすくなります。
例えば、家電製品を値切る時に5千円値切れれば良いとして、店員さんに「1万円値切ってよ」と無理を言って「じゃあ、5千円にして」と最終的に当初の目的に落ち着かせる方法ですね。
店員さんとしては最初に無理を言われて困っているところに、5千円に譲歩してくれたので「利益を得た」と感じてしまうわけです。
「合法的に脅す」とは、
「要望をのんでくれなければ訴えます」
「要求が受け入れられないなら然るべき機関(第三者)と相談します」
のようなことです。
例えば、社内でコンプライアンス違反があったとして是正を求めても改善しない場合などにはこのような「合法的に脅す」ことが効果があるでしょう。
ポイント③「絶対に譲れないもの」
おそらく本書で一番多く出てきた表現が「絶対に譲れないもの」であり、これが交渉の「基本のキ」と言えるでしょう。
ポイント①でも「自分の要望の整理」の重要性を挙げましたが、自分の譲れないものと同じように相手にとっての「絶対に譲れないもの」を把握することも重要です。
絶対に譲れないもので対立するのであれば、内容を要素に分解して譲れるものと譲れないもので妥結点を見出すことになります。
トランプ大統領、金正恩の交渉戦略
おそらく世界中の人の半分以上がアメリカのトランプ大統領のことを「なんて無茶苦茶な人なんだ」と思っているでしょう。日本であれば金正恩も同様に「何を考えているか分からない」人として扱われます。
しかし本書で橋下さんはこの2人の交渉戦略を絶賛しています。特にトランプ大統領はアメリカという大国の強大なチカラをチラつかせ「アメリカ・ファースト」を実現していると解説しています。
読み進めると合点がいくことばかりです。
金正恩も北朝鮮のような小国が大国アメリカと渡り合うためにはどうするかを実行しているにすぎないことがわかります。
最後に
最後に、読んでいて眼からウロコがおちるようなことが書いてありました。
それは「交渉は握手で終わる」というもの。
交渉がまとまっても決裂しても相手をリスペクトすることで、のちに再会することがあっても関係が良好でいられるためです。
交渉でケンカ別れした相手と未来永劫会うことがなければ交渉でケンカをしても良いですが、同じ業種や業界にいると何年か後に何らかのカタチで一緒に仕事をすることも珍しくありません。
「握手で終わる」とは、その時に自分が仕事を進めやすい環境にしておく準備と言えます。
だいぶ簡単にまとめてしまいましたが、本書では大阪府知事や大阪市長時代のエピソードをもとに実際におこなった交渉術を知ることができます。
ちなみに、本書に登場するエピソードで気になったものが2点ありましたので調べてみました。
まず、YouTubeで「橋下 女子高生 泣かす」と検索すると出てくる動画がありますので興味がある方は是非。橋下さんと高校生の討論ですが高校生相手でも容赦無く議論します。
それと、2019年に大阪で開かれたG20で安倍首相、トランプ大統領、習首席の並んでいる画像を見つけたので貼っておきます。
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